ひろしくん編

ひろし(仕事も終わったし帰るか…)

川口「係長！どうです？今から一緒に飲みに行きません？」

ひろし「あっ…ああ……でも今日はやめとくわ…」

川口「またですか…？最近野原係長付き合い悪いですよ」

ひろし「悪い…！どうしても外せない用事があるんだ」

ｽｯ

マサル「野原さん、お金！」

ひろし「うっ…マサルさん……ははは…分かってますよぉ～今出しますから」

川口「係長…この子一体誰なんですか？」

ひろし「か、川口！お前はもう先に帰っててくれ！頼む！！」

川口(帰ってくれてここまで必死に頼むなんて…変な係長だな)

既に胸が痛いんだが

ウシジマくんはアカン
ミナミの萬田銀次郎に乗り換えよう（提案）

マサル「おい、200円足りねぇぞ！」

ひろし「200円ぐらい勘弁してもらえませんか…昨日から何も食べてなくて…」

マサル「あ」

ウシジマ「マサル、どうしたの？」

ひろし「たっ…田嶋さん…」

マサル「野原の野郎が利息分200円見逃してくれって言ってきたんスよ！」

ひろし「お願いします！昨日から飲まず食わずでこれで全財産なんです！！」

ウシジマ「(ｼﾞｯ」

ひろし(くう～～頼む…！！見逃してくれ！)

ウシジマ「利息分はキッチリ払ってよ野原さん」

ひろし「でも200円なんてもうありません…」

ウシジマ「自動販売機の下とか通行人に物乞いでもしろよ。車で待ってるからな。」

マサル「ヒュー、社長鬼ッスねぇ～」

ひろし「……」

ひろし「…(ｺﾞｿｺﾞｿ」

ひろし「あ！あった！10円玉だ！」

ひろし「よーし…これで68円か。あと132円だな。」

しんのすけ「とーちゃん」

ひろし「！？…し、しんのすけ…！？」

しんのすけ「そんなところで何してるの父ちゃん？」

ひろし「ハハハ…自動販売機の下掃除してたんだよ！それよりしんのすけお前どうしてこんな所に…」

しんのすけ「シロの散歩だぞ！」

シロ「ﾜﾝｯ」

ひろし(やべぇ…しんのすけに借金してる所なんて見られたらマズイ…)

ひろし(もしみさえなんかにバレちまったらそれこそ大事になっちまう…！)

ウシジマ「野原さんまだ？」

ひろし「…あっ！！……そ…その…あともう少しで掃除終わりますよ！」

ウシジマ「掃除？なに言ってんの？」

しんのすけ「おじさん誰…？」

ああああああ

やめて

ウシジマ「息子さん？」

ひろし「や、やめてください！しんのすけは…しんのすけには手を出さないでください！」

しんのすけ「父ちゃん…？さっきから様子が変だぞ…」

ひろし「父ちゃんは大丈夫だからお前はさっさと家に帰れ！」

しんのすけ「ひどいゾ父ちゃん！せっかく仕事終わりの父ちゃんを迎えに来たって言うのに！」

ひろし「……うるせぇ！！！！！さっさと帰らねぇとぶっ飛ばすぞ！！！」

しんのすけ「…(ﾋﾞｸｯ」

シロ「…ｸｩﾝ」

しんのすけ「シロ…行こ」

ﾀｯﾀｯﾀ

ひろし(すまねぇ…しんのすけ……！こんな父ちゃんを許してくれ…！)

ウシジマ「で、残りの利息分どうすンの？」

ひろし「すいません…もう少し自動販売機の下探してみますので…」

ﾁｬﾘﾝｯ

ウシジマ「これで今回の利息分ね。毎度！」

マサル「次はちゃんと揃えてから来いよ」

ひろし「はい…気を付けます…」

ﾌﾞｵｵｵ…

ひろし「……」

ひろし(家の貯金から勝手に下ろしてきたお金も返そう…)

ひろし(しんのすけにも謝らないとな…甘いものでも買って帰ってやろう)

ひろし(ごめんな…しんのすけ……)


しんのすけ「シロ」

シロ「？」

しんのすけ「今日見たことはオラとシロだけの秘密だぞ」

シロ「ｱﾝｯ！」

ひろし「…」

ｼﾞｬﾗｼﾞｬﾗｼﾞﾗｯ

ひろし「クソッ…！！あっという間に金がなくなっちまった！」

ひろし「畜生…これでホントに所持金0だぞ…次の利息どうすればいいんだよ……」


川口「ふぅ、なんで野原係長最近付き合い悪いんだろう」

ＯＬ「えぇ？野原係長誘う気だったんですかぁ？」

ＯＬ2「マジ有り得ないですよぉ！あの人社内ですっごい嫌われてますから」

川口「えっ？野原係長が？」

ＯＬ「そうそう、私達の間でもすっごく評判悪いですから」

川口「どうして評判悪いの？」

ＯＬ「だってあの人体臭すっごくきついじゃないですかぁ」

ＯＬ２「そうそう、この間も横通っただけで失神しそうになっちゃったし～」

川口(体臭…そういや野原係長と話してる時……)


野原「よう、川口(ﾓｱｱｯ」

川口「ん……(ｸﾝｸﾝ」

野原「どうしたんだ？」

川口「なんか…腐った卵の臭いしません？」

野原「腐った卵？ああ！多分上司の臭いだよ！あの人臭そうだしな」

川口(でも上司はかなり離れた距離にいるのにな…)

ひろし・・・

悲しそう

ＯＬ「係長自覚ないんですかね？」

ＯＬ２「ああいうのってスメルハラスメントですよ！」

川口「スメルハラスメント？」

ＯＬ「体臭や口臭の匂いで周囲に不快感を与えることです！」

ＯＬ２「係長全く自覚なさそうですもんねぇ～」

ＯＬ「川口さんもあんまり野原さんに近づかない方がいいですよっ」

ＯＬ２「ﾌﾟｯ…ひっどーい！言い過ぎじゃない？？」

ＯＬ「だって～臭いんだし仕方ないじゃん」

ＯＬ２「ｱﾊﾊﾊﾊﾊ」

川口「そうだね、僕も君達女子の味方だから野原係長には近づかないようにするよ」

ＯＬ「さすが川口先輩っ！かっこいい！」

川口「へへへへ…(野原係長よりこの子達の評判を上げる方が先ですからね」

クズだった

ひろし……

ｶﾞﾁｬｯ

ひろし「ただいまぁ」

ﾀｯﾀｯﾀ

しんのすけ「おおっ！父ちゃんお帰り～」

ひまわり「ﾀｲﾀｲｯ」

ひろし「しんのすけ…ひまわり…まだ起きてたのか」

しんのすけ「父ちゃんが帰ってくるのずっと待ってたんだゾ」

ひろし(しんのすけ…さっきあんなにひどい事言ったのに…)

みさえ「…お帰りなさい」

ひろし「みさえ…遅くなって悪いな…」

みさえ「貴方最近帰りが遅いけどなにか隠してない？」

ひろし「…何も隠してねぇよ…風呂入るぞ」

みさえ「……」

―次の日―

ｶﾞﾀﾝｺﾞﾄﾝｶﾞﾀﾝｺﾞﾄﾝ

ひろし(うう～っ…朝から満員電車はきついぜ……)

ひろし(しかも夏場なのにこの車両全然冷房効いてねぇじゃねぇかよ…)

ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

冷房の効きが悪くひろしの額からは自然と汗が流れていた


ひろし「おはようございます(ﾓｱｱｧ」

ＯＬ「お…ｵﾊﾖｳｺﾞｻﾞｲﾏｽ」

ｽｯ

ひろし(ん？顔色悪かったけど…どうしたんだ)

川口「…」

ひろし「よう、川口」

川口「あっ…係長……」

吐きそう

川口「すいません…ちょっと用事思い出したんで…」

ｽｯ

ひろし「なんだ川口の奴…まるで俺を避けてるみたいだな」

ＯＬ「(ｺﾞﾎｺﾞﾎｯ」

ＯＬ２(ったく…朝から臭いんだよ！)


しんのすけ「…あった！」

しんのすけがお年玉と書かれた封筒から出したのは1000円札

しんのすけ「去年もらったお年玉だぞ！」

シロ「ｸｩﾝ？」

しんのすけ「これで父ちゃん喜ぶかな…オラ父ちゃんの役に立ちたい…」

ひろし(なんだよ…今日俺全然会社の奴と会話してねぇぞ…)

ひろし(まるで皆が俺の周りから離れていってるみたいだ……まさか借金の事がバレたとか？)

ひろし(いやいや！そんな事はねぇ！絶対借金のことはバレてない！)

ひろし(クソッ…それより金が欲しい……今日このままじゃ昼飯抜きだな…)

ひろし「ただいまー」

しんのすけ「父ちゃん」

ひろし「しんのすけ…どうしたんだ」

しんのすけ「これ(ｽｯ」

ひろし「…ん…なんだこの1000円札……？」

しんのすけ「父ちゃんお仕事でなにか困ってるんだよね？オラのお年玉父ちゃんにあげる」

ひろし「……しんのすけ……しんのすけ…お前……)

ｶﾞﾊﾞｯ

ひろしは涙を浮かべながらしんのすけを強く抱き寄せた

しんのすけ「うっ…父ちゃん苦しいぞ…！しかも臭いゾ！」

ひろし(こんな小さい子にお金を出させる父親なんて…父親失格じゃねぇか…！！俺は何をやってるんだ！)

何故金を借りたのか

結局貰ってパチ●コする流れ

ｼﾞｬﾗﾗﾗﾗﾗ

ひろし「あー…１円パチ●コでもあっという間に1000円消えちまったな…」

ひろし「クソッ…やめれねぇよ……ギャンブルが…」

ひろし「風俗も行きてぇな…久しぶりに金使って女抱いてみたいもんだぜ…」

ひろし「金が足りねぇ…全然足りねぇよ…！！ああっくそっ！！」

ひろし(毎日毎日会社に通ってお金稼いで家帰って風呂入って寝る…！その繰り返しに耐えれなかったんだよ…！)

ひろし(みさえとだって最近は会話も少なくなってきたし…)

ひろし(休日は家でゆっくりしててもしんのすけやひまわりの面倒を俺が見なきゃならねぇ…)

ひろし(ふざけんなよ…俺の稼いだ金でお前らは暮せてんだろ！！俺にも息抜きさせろ！！)


しんのすけ「母ちゃん、オラ庭掃除するゾ」

みさえ「あら、急にどうしたのしんちゃん」

しんのすけ「その代りお願いがあるんだけど」

みさえ「なに？」

しんのすけ「50円ちょうだい」

心が痛むんだけど

しんのすけが天使すぎる

子供は出てきても債務者にストレス与える役でしか出てこない

ｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯ

しんのすけ「ふぅ…やっと全部雑草刈り終えたぞ…オラもうクタクタ…」

みさえ「偉いじゃないしんちゃん！はい、ご褒美(ｽｯ」

しんのすけ「えぇ～？10円？」

みさえ「お手伝いはどれも10円よ」

しんのすけ「ンもう～母ちゃんのおケチ！」

みさえ「文句言うんだったらその10円返してもらうわよ！」


ｺﾞｼｺﾞｼｯ

しんのすけ「かあーちゃーん、お風呂掃除終わったぁ！」

みさえ「はいご苦労様。10円ね。」

ｽｯ

しんのすけ(20円…父ちゃん喜んでくれるかな…)

前のマスオさんよりはマシやな…

マスオさんより家庭環境はいいけどヒロシはマスオさんよりクズっぽい

ひろし「川口…なんかお前最近俺のこと避けてないか？」

川口「えっ…いやそれは…」

ひろし「なにかあるんだったら正直に話してくれよ…」

川口「…実は…実はその……野原係長の体臭のことで…みんな迷惑してて…」

ひろし「えっ…(ﾄﾞｷｯ」

川口「い、今こうして話してるのもすごく苦しいんです…すいません…」

ひろし「…お、俺そんなに臭いのか……？」

川口「…(ｺｸｯ」

ひろし(そうか…だから会社の奴等俺の近くを通るのを避けてたのか…)

ひろし(金借りて香水買うか…)

……

…

ウシジマ「……」

ひろし「すいません…ジャンプお願いできませんか…？」

ウシジマ「いいよ」

ひろし「あ、ありがとうございます！」

ひろし「それと…ついでもう10万円ほどご融資を…！どうしても食費やらが必要で！」

ﾊﾟｻｯ

ウシジマ「そっか頑張ってね、野原さん」

ひろし「あ、ありがとうございます！！キッチリとお金はお返ししますので！

ﾀｯﾀｯﾀ

ウシジマ「……」


ひろし「よっし！！利息分今回は見逃してもらってしかも10万円まで借りれたぞ！」

ひろし「これでまずは体臭防止のスプレーでも買うか…！」

鬱エンドしか見えない

一家心中とかホントやめて……

ひろし「ＡＺスプレーと…シャンプーはウロオスだな！」

ひろし「よーしついでに香水も買って体臭対策はバッチリだな！」

ひろし「今日はこの金で風俗でも行ってスッキリするぞぉっ！」


しんのすけ「…いち…にい…さん…しぃ…」

しんのすけ「60円かぁ…父ちゃんどれくらいお金に困ってるんだろう？」

みさえ「しんのすけー！おつかい行ってきてちょうだい！」

しんのすけ「ほーい！」

これはしんのすけのおかげで目が覚めてくれそう

ひろし「…ﾊｧｳｯｯ……ｱｯｧｧ…」

嬢「ほらぁ…アソコギンギンよ？変態な子ねぇ」

ひろし「ｱｯﾊｧｧｧｯ…気持ちいですっうう……」

嬢「女装までしちゃって恥ずかしくないの？変態」

ひろし「はっ…ﾊｳｳｳｳ」

嬢「お尻にも突っ込まれて気持ちいの？」

ひろし「気持ちいです…！はぁはぁっ…あっ！イカせてください！」

嬢「ダメよ、まだイッちゃダメ」

ひろし(くう～～っ…Ｍ性感やっぱりたまんねぇぜ…)


ひろし「…チッ、もう6万かよ」

ひろし(Ｍ性感は気持ちいけど値段が少し高いんだよな…また行きてぇけど我慢するか)

ひろし「久しぶりにお土産でも買って家族の機嫌でも取るか」

ひろし「ただいまぁ」

ﾀｯﾀｯﾀ

しんのすけ「お帰り父ちゃん！」

ひろし「これ、しんのすけにお土産だ」

ｽｯ

しんのすけ「おおっ！チョコビ！父ちゃん太もも～」

ひろし「ハハハ…それを言うなら太っ腹だろ」

ひろし「ほら、ひまわりにもあるぞ」

ひまわり「ﾀｲﾀｰｲｯ！」

みさえ「お帰りなさい、今日は随分と早いのね」

ひろし「ああ…みさえにはアイス買ってきたぞ」

みさえ「…急になによ」

ひろし「いや…いつも帰りが遅いしこれぐらいサービスしようと思って」

みさえ「ふーん」

ひろし(なんだよ感じ悪いな…人がお土産買ってきたってのに)

目覚ませよクズ...

しんのすけ「…」

空のチョコビの袋の中身を何度も見つめるしんのすけ

ひろし「ふぁぁぁ…しんのすけ、何してんだ？」

しんのすけ「…父ちゃんが買ってきてくれたチョコビ…もうなくなっちゃったゾ…」

ひろし「なんだそんな事か。また買ってきてやるしそんなのもうゴミだろ？捨てろよ(ﾎﾟｲｯ」

しんのすけ「ああっ…！」

ひろし「そんじゃ俺はもう一眠りするぜ～」

しんのすけは急いでゴミ箱の中身を手探りでいじり始める

ｺﾞｿｺﾞｿｯ

みさえ「ちょ…ちょっと！しんのすけあんた何やってんのよ！？」

しんのすけ「チョコビの箱…！チョコビの箱…！」

みさえ「そんなのもう空でしょ！？捨てなさい！」

しんのすけ「違うぞ…！！父ちゃんが買ってきてくれたチョコビだぞ！！」

みさえ「もう…この子は何言ってるのよ…！ただのゴミでしょ？」

しんのすけ「ゴミじゃないもん…！！」

涙腺と良心が崩壊する

しんのすけ「あった…！」

しんのすけはチョコビの箱を大事そうに抱えた

みさえ「しんちゃん！それはもう汚いから捨てなさい！」

しんのすけ「やだ！！」

みさえ「……(ｲﾗｲﾗｯ」

みさえ「言うこと聞かないんだったらぶつわよ…！」

しんのすけ「…(ﾋﾞｸｯ」

みさえ「あっ…しんのすけ……」

しんのすけ「…！！」

ﾀｯﾀｯﾀ

しんのすけはチョコビの箱を抱えたまま家を飛び出た

みさえ(私なにしんのすけに当たり散らしてるのかしら…家事のことでイライラしてたからって…)

シロ「ｱﾝｱﾝｯ」

しんのすけ「…シロ…」

しんのすけとシロは近くの河川敷まで来ていた

しんのすけ「…オラ、家にいるのが段々辛くなってきたぞ…」

シロ「ｸｩﾝｯ…」

しんのすけ「父ちゃんと母ちゃんはきっとオラの所為でご機嫌が悪くなってるだけ…」

しんのすけ「オラがもっと言う事を聞けば…」


ひろし「うおおおおおおおお！！出やがれぇぇぇぇぇえ！！！」

ひろし「クソッ…！！またハズレかよ…！」

ひろし「やべぇ……もうあと1万しかねぇ……！しかも田嶋さんの返済日も明日じゃねぇか！」

ひろし(やばい…やばいやばいやばい…クソッ…どうして俺がこんなに悩まなきゃならねぇんだ！)

しんのすけ…

―次の日―

ひろし「………」

ＯＬ「…(ｻｯ」

ＯＬ２「……」

ひろし(なんだ…まだ俺のこと臭うのか……？)

ひろし(朝シャンだってしたし…脇にもスプレー振ってきたんだぞ！)

川口「……」

ひろし(クソッ…こんなこと考えると余計に緊張して汗が出てくる…)

ﾀﾞﾗｯ…ｷﾞﾄｫｯ…

ひろし「…うううっ…」

ひろし(脇汗が止まらねぇ……)

ひろし(仕事にも集中できねぇ…もう嫌だ……)

OL「川口先輩この書類のことなんですけど…」

川口「ん？」

ひろし(あいつ等…また俺の体臭のことでも噂してんだろうな…ハハ…もう会社も行きたくねぇ…)

ｶﾞﾀﾝｺﾞﾄﾝｶﾞﾀﾝｺﾞﾄﾝｯ

ひろし(明日から会社行きたくねぇな…2～3日ぐらい休んでもいいか)

ひろし(今まで散々仕事頑張ってきた訳だし……)

ひろし(頑張ってきたって……なにを頑張ってきたんだ……？)

ストレスの溜まる毎日から抜け出したくてギャンブル、風俗にハマって

仕事で稼いだ金のほとんどを突っ込んで借金までしちまってる…

何をしてるんだ俺は……何を頑張ってるんだ俺は……


ひろし「……」

ｶﾞﾁｬｯ

しんのすけ「父ちゃん！これ！」

ﾁｬﾘﾝｯ　ｼﾞｬﾗｯ

ひろし「なんだこの小銭…？」

しんのすけ「オラがお手伝いして貯めたお金だゾ！全部で118円！」

ひろし「いらねぇよ…こんな小銭…」

うわああああああ(´；ω；`)

しんのすけぇ...

しんのすけ「父ちゃん…受け取ってよ…」

ひろし「どけ、俺は仕事で疲れてんだよ」

しんのすけ「…ま、待って！」

ひろし「…なんだよ！！そんな小銭どうにもならねぇんだよ！！」

しんのすけ「……」

みさえ「ちょっとこんな時間に大きな声出さないでちょうだい！」

ひろし「…あっ…悪い…」

しんのすけ「…」

みさえ「しんちゃん、明日も幼稚園あるんだからもう寝なさい」

しんのすけ「…分かったぞ」

ｽﾀｽﾀ

ひろし(チッ…借金の返済は小銭なんかじゃ足しにもなんねぇんだよ」

しんのすけぇ………

はぁ....救いを..

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ

「極悪人メガネ田嶋」

ひろし(やべぇ…！今日田嶋さんから電話だ……！)

ひろし(今日が返済期限なの忘れてた…どうすればいい…金なんて1万円しかねぇぞ…！)

ひろし「み、みさえ！頼む！3万円でいいから貸してくれ！」

みさえ「はぁ？なに馬鹿なこと言ってんのよ！！」

ひろし「頼む…！この通りだ…！」

みさえ「ちょ、ちょっと…土下座なんてやめてよ！」

ひろし「絶対に…ゼッタイニ…返す…だから貸してくれ……」

みさえ「……あなた…」

ひろし「…へへ…！俺の名演技でみさえの奴3万円貸してくれたぜ」

ひろし「今からでも俳優の道いけんじゃねぇか？俺」

ひろし「後もう5万ほどいるな…」


川口「えぇ！？5万円貸してくれ？」

ひろし「頼むよ…なっ？この通りだ…」

川口(くさいし…しかも急に金貸してくれってこの人最低だな)

ひろし「5万円だけでいいから…頼むよ川口ぃいいいいい！！！」

川口「か、係長やめてくださいよ！人前で土下座するなんて！」

ざわっ…

ひろし「頼むよおおおおお！！俺を救ってくれ川口いいいい！！！」

ひろしクズ過ぎワロエナイ

クズだ…

ﾀｯﾀｯﾀ

ひろし「はぁはぁぁはぁ…！よし！これで利息分は返せるぞ！」

ひろし「ははは！俺の演技のお陰で簡単に貸してくれたぜ！」

ひろし「金借りるためなら俺の安いプライドなんざ売ってやるよ！！」


ウシジマ「おう、野原さん」

ひろし「はぁはぁはぁ…すいませんこれ利息分です」

ウシジマ「高田」

高田「はい」

ﾍﾟﾗﾍﾟﾗｯ

ひろし(はぁはぁ…これで今回の利息分も何とか返済できたな…)

高田「社長、これで全部です」

ウシジマ「あと500円足りねぇな野原さん」

ひろし「えっ！？それで利息分は全部ですよ！」

ウシジマ「もう日付変わっただろ？延滞料も含まれてンだよ」

ひろし「そんな…たった10分遅れただけじゃないですか…」

ウシジマ「たった10分？こっちはずっと待ってたんだけど(ｼﾞｯ」

ひろし「うぐっ……」

ウシジマ「また探せばいいだろ」

ひろし「……はい」


ｺﾞｿｺﾞｿｺﾞｿｯ

ｺﾞｿｯ

ﾁｬﾘﾝｯ

ウシジマ「あと118円だ、早くしろ」

なんでしんちゃんスレはどれもこれも鬱ばかりなのか

ああぁぁぁ…

ﾀｯﾀｯﾀ
しんのすけ「おい！！お前！！！」

ひろし「…しんのすけ…！！」

ウシジマ「なに？(ｼﾞｯ」

しんのすけ「父ちゃんをいじめるな！！オラが父ちゃんを守るぞ！」

ひろし「…しんのすけ…！バカ野郎やめろ！」

ウシジマ「この間も会ったよな」

しんのすけ「…お前は悪いやつだ！」

ウシジマ「お前の父ちゃんにな…金貸してンだわ」

しんのすけ「オラ…それも知ってるゾ…」

ひろし(…！！)

ウシジマ「で、お前がどうすんだよ」

ｽｯ

しんのすけがウシジマに差し出したのはボロボロのチョコビの箱

ﾁｬﾘﾝｯﾁｬﾘﾝｯ

中身を見てみると小銭零れ落ちてきた

なんだいい話

すでに鼻の奥ジーンなってるわ

ウシジマ「…お前この金自分で集めたのか？」

しんのすけ「そうだゾ…オラがお手伝いして貯めたお金だゾ…」

ひろし「しんのすけ……お前そんな大事なお金を…」

ウシジマ「へぇー見かけによらず真面目だな」

しんのすけ「えっへん！オラは父ちゃんを守るためならなんだってするゾ！」

ウシジマ「118円。丁度だな、毎度。」

ｽｯ

しんのすけ「え？」

ウシジマ「この箱はお前の大事なもんなンだろ？」

しんのすけ「父ちゃんが買ってきてくれたチョコビ…オラの宝物なんだゾ」

ウシジマから手渡されたチョコビを大事に抱え込む

ひろし(俺が…俺がゴミだなんて言ったモノをあいつはあんなに大事にしてくれてるのに…！俺はあいつになんてひどいことを…！！)

ウシジマ「行くぞ、高田。」

高田「はい」

ウシジマ「それじゃ野原さん、またな」

これで、改心してくれ
ひろし

よかったハッピーエンドで終わりそうだな

高田「あいつまた借りに来ますかね」

ウシジマ「餓鬼の方がよっぽどモノのありがたさに気づいてやがる」

ウシジマ「大人になれば自然とその気持ちを忘れちまうんだろーな」

高田「そうですね、子供と大人じゃお金の使い方が違いますし…」

高田「あんなお菓子の箱でも子供は大事にするもんなんですね」

ウシジマ「年齢を重ねるごとに自分次第でお金が自分の下に入ってくる」

ウシジマ「お金を消費すればするほどモノに対する価値観も変わってくる」

ウシジマ「大人から見ればただのゴミにしか見えねぇお菓子の箱も、あの子供にとっちゃ価値のつけれないモノに見えてるんだろうな…」


ひろし「…しんのすけェ…しんのすけ…ごめんな…ぁ…ごめんな…」

涙を流しながらしんのすけを抱きしめるひろし

しんのすけ「父ちゃん、もう謝らなくていいよ。母ちゃんもひまわりもシロも待ってるしお家帰ろう。」

でもまた借りちゃうんだなぁ

頼む今日だけは改心エンドにしてくれ

ひろし「…しんのすけ、肩車してやるよ」

ﾋｮｲｯ

しんのすけ「おおっ！股間がﾋｭﾝｯってするゾ」

ひろし「バカ…なに気持ち悪いこと言ってんだよ」

しんのすけ「父ちゃん」

ひろし「なんだ？」

しんのすけ「父ちゃん、ずっとオラの父ちゃんでいてくれるよね？」

ひろし「…当たり前だろ…父ちゃんの宝物はしんのすけやひまわり家族だよ」

しんのすけ「父ちゃん…」

ひろし「よーし！全速力で家に戻るぞ！」

ﾀｯﾀｯﾀ

しんのすけ「わああああ！父ちゃん早い早い！早いぞぉ！！！」

ひろし「アハハハハ…！どうだ怖いだろ！」

退屈なんかじゃない

俺にはこんなにも大切な家族がいるんだ、例え毎日仕事で疲れようがこいつ等が迎えてくる
それが俺にとって最高の息抜きだよな…

……

…

柄崎「社長、取り立てに行ってきます」

ウシジマ「おう」

加納「行くぞ、高田。」

高田「はい」

ウシジマ「…」

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙｯ

ｶﾞﾁｬｯ

ウシジマ「はい、カウカウファイナンス」

ウシジマ「ああ、野原さん？今度はいくら貸して欲しいの？」

おわり

えっ

グレーな終わりかただなぁ……

おつ

結局、ひろしは変われなかったってことか

ひろしいいお父さん像って言われるのにな

泣いた

スッキリしないパターンの奴か

ウシジマくんを読んだ人の大半がテンション低くなるからな
まぁあの漫画でギャンブルと風俗は行かないと決めた